行政書士の視点から見る英国王室ヘンリー王子の相続に関する法的観点

行政書士の視点から見る英国王室ヘンリー王子の相続 トピックス

2020年にヘンリー王子とメーガン妃が英国王室を離脱したニュースは、世界中で大きな注目を集めましたよね。
その際に多くの人が関心を持ったのは、王室を離れても彼が巨額の遺産を相続するかどうかという点でしたが、今回15日に40歳を迎えたヘンリー王子に約800万ポンド(約14億7,800万円)以上もの巨額の遺産が相続された可能性があると報じられ、賑わいを見せています。
このケースを通じて、一般の方々にとっても重要な相続手続きや海外資産の取り扱いについて、行政書士の視点から解説していきます。

1. 王室の特殊性と相続の異なる側面

まず、そもそも英国王室の財産は、他の一般的な家族財産とは異なり、私的な財産と公的な財産が混在しています。王室の一部財産は国家のものであり、個人間で自由に相続されるものではありません。
例えば、バッキンガム宮殿やクラウンジュエルは王室のシンボルであり、国家的財産です。その一方で、個人的な資産であるサンドリンガム・ハウスやバルモラル城や投資財産などは、王族個人が所有しており、これらは相続の対象となる可能性があります。

バッキンガム宮殿

恐らく、英国王室が依頼なさっている行政書士の方としては、こうした公的財産と私的財産の違いを理解し、適切な助言を行っていると思われます。これは日本でも、めったにないですが相続手続きにおいて公的性格を持つ財産が関わる場合、同様に注意が必要です。

2. 遺言書の有無とその影響

遺産分配の重要な鍵となってくるのが遺言書です。
英国王室の財産に関する遺言書が存在するかどうか、そしてその内容は公にされていないため、具体的な内容を断言することはできません。
しかし、もし遺言書が存在し、その中でヘンリー王子が相続人として指定されていれば、王室離脱の影響を受けずに遺産を受け取る可能性が大きいです。これは、日本でも同様で、遺言書があれば、それに従って遺産分配が行われます。

一方で、遺言書がない場合は、一般的な相続法に基づき相続が進行します。英国でも日本でも、遺言書がない場合は法定相続が適用され、相続順位が決定されます。行政書士としては、遺言書の存在確認やその内容に基づいた適切な手続きをサポートする役割があります。また、遺言書には、本人が筆者の「自筆証書遺言」、公証人が筆者の「公正証書遺言」、筆者が不特定の「秘密証書遺言」の3種類が存在しますが、その全ての作成にも対応しています。

3. 海外資産と相続税の取り扱い

ヘンリー王子は、英国だけでなく、現在はアメリカに住んでいるため、両国にまたがる資産を所有している可能性があります。この場合、各国の相続税法が絡み合い、相続手続きは非常に複雑になることが予想されます。
たとえば、英国では相続税が40%かかりますが、アメリカでも一部の財産に対して課税される可能性があります。さらに、二重課税を回避するための租税条約がどのように適用されるかも重要です。

両国にまたがる資産

日本においても、海外に資産を持つ場合、一定の条件下で日本の相続税が課せられます。行政書士としては、海外資産を含む相続案件に対しても、適切な申告や評価を行い、国際的な相続手続きをサポートすることが求められます。

4. 家族間の調整と遺産分割協議書

相続手続きの中で、特に重要なのが遺産分割協議書の作成です。ヘンリー王子と王室の関係は複雑であり、家族間での遺産分割に関して意見の相違が生じることが予想されます。日本においても、相続に際して家族間でトラブルが発生することは少なくありません。行政書士は、遺産分割協議書を作成し、法的に有効な形で合意形成を図る役割を担います。

行政書士は、遺産分割協議書を作成し、法的に有効な形で合意形成を図る役割を担います

特に、複数の相続人がいる場合や、相続財産が不動産や海外資産など複雑な要素を含む場合、家族間での合意が難しくなることがあります。こうした場合、行政書士は中立的な立場で助言を行い、遺産分割をスムーズに進めるためのサポートを行います。

5. 行政書士の役割と相続手続きの重要性

相続手続きは、一見すると複雑で時間がかかるものです。特に国際的な相続や、複数の国にまたがる財産が関わる場合には、法的な手続きがさらに煩雑になります。行政書士は、こうした場合にも手続きのプロとして、相続人が安心して財産を受け取れるように、法的助言や書類の作成をサポートします。

日本国内でも、海外に資産を持つ方が増えており、こうした国際的な相続案件に対する行政書士の需要は今後ますます高まると考えられます。

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