こんにちは、ほたるです!
今回は、「相続で受け取った古い建物が思いのほか高額な評価額になった…」という実例を紹介しつつ、相続税評価の仕組みや節税対策や80%も相続税評価を下げることができた成功事例を詳しく解説していきます。
「こんなボロボロの家がまさかこんなに高いなんて!」と驚かれるかもしれませんが、その背景にはカラクリがあります。
住めない家を相続したのに税金を沢山払うことになったなんてこと、最悪ですよね…。そんなことにならないようにぜひ、賢く節税できる方法を知って、相続の不安を少しでも解消しましょう!
【実例】築50年の古い建物の家が高額評価?その理由を解明!
「この古い建物の家に4000万円の価値!?本当にそんなに高いの?」と驚くこともあるかもしれません。でも、そこにはちゃんとした理由があります。そのカラクリを解説していきますね。
固定資産税評価額はどう決まるのか?
相続税を計算する際、ベースとなるのは「固定資産税評価額」です。この評価額は、建物だけではなく土地の価値も大きく影響してきます。
例えば、都心部や再開発が進んでいる地域では、築年数が古くても土地の価値が高いため、思った以上に高額な評価額がつくことが多くあります。「建物がボロボロだから安いだろう」と思いがちですが、実は土地の価値が一番重要だったりします。
土地の価値が高い理由
1. 立地が良い(利便性が高い)
都市部や中心地に近い場合、交通の便が良く、駅やバス停が徒歩圏内にあると、需要が高まり土地の価値も上がります。
商業エリアやビジネス街に近い場所は、住居としてだけでなく、事業用地としても価値が高く評価されます。
2. 再開発や都市計画の影響
再開発エリアに指定されている地域や、将来の開発計画が進行している地域では、地価が上昇する可能性が高いです。これにより、相続時の評価額が高くなることがあります。
インフラの整備(新しい駅や道路、商業施設の建設など)が進むと、周辺の土地価値が向上します。
3. 周辺環境の充実
商業施設(ショッピングモール、スーパーマーケット)、学校や病院などの生活に必要な施設が近くにあると、利便性が高まり、土地の需要が増します。
自然豊かな公園や緑地の近くにある土地は、居住環境が良好であるとみなされ、価値が上がる傾向があります。
4. 土地の広さや形状が良い
広い土地や整形地(四角い土地)は、建築の自由度が高いため、他の形状の土地に比べて価値が上がります。住宅や商業施設を建てる場合、整形地は特に需要が高いです。
接道義務を満たしているか、道路に十分な面積で接している土地は評価が高くなります。
5. 用途地域の指定
土地が住宅専用地域や商業地域に指定されている場合、その地域の需要が高いため、評価額も上がりやすいです。
用途地域の変更や緩和により、建物の建設や土地の利用方法が拡大できると、その土地の価値が高まる可能性があります。
6. 近隣の地価上昇
周辺の地価が上昇する場合、特に新しいマンションや商業施設の開発が進んでいる地域では、全体的に土地の評価額が上がる傾向にあります。
人気の住宅地やエリアは、住む場所としての需要が高く、地価が安定して上昇します。
7. 地歴・文化的価値
歴史的に価値のあるエリアや、文化的な重要性を持つ地域の土地は、その価値が高く評価されることがあります。たとえば、観光地や伝統的な街並みが残るエリアなどです。
自分の土地はいくら?
自分の土地の評価額がいくらなのか知るためには、いくつか方法があります。
1. 固定資産税評価額を確認する
固定資産税評価額は、土地や建物の価値を評価し、それをもとに課税される税額の基準となります。この評価額は、自治体が毎年評価を行い、固定資産税通知書として送られてきます。これが土地の基本的な評価額の参考となります。
2. 固定資産税評価証明書を取得する
固定資産税評価額をより正確に知るためには、固定資産税評価証明書を取得することが有効です。この証明書には、所有する土地や建物の具体的な評価額が記載されています。
3. 路線価を調べる
路線価とは、国税庁が毎年発表する、道路に面する土地の1㎡あたりの価格です。路線価は相続税や贈与税の計算に用いられ、固定資産税評価額とは異なる場合がありますが、土地の相続時の評価額を知るために参考になります。
4. 不動産会社や専門家に査定を依頼する
より市場に近い評価額や、土地を売却する場合の価格が知りたい場合は、不動産会社や専門家に無料査定を依頼するのも手です。不動産の市場価格は路線価や固定資産税評価額よりも高くなることがあったりします。
他にも自分の土地が、おおよそいくらなのかは、国土交通省が提供している不動産ライブラリーで確認できます。
※調査基準日が古かったり、参考住所が離れていると価格が大幅に変わってしまう場合もあります。
節税のカギは「小規模宅地等の特例」!実際どれだけ減額できる?
「実家の相続税、こんなに高いの!?」と焦る方もいらっしゃるかもしれません。でも、小規模宅地等の特例という制度を利用すれば、相続税を大きく減額できる可能性があります。
これをしっかり理解して活用することで、負担を大幅に減らすことができるので皆さんも知っておきましょう!
知らないと損する!80%も評価額を減らせる「小規模宅地等の特例」
この「小規模宅地等の特例」を使うと、なんと80%も評価額を減らせることがあります。
例えば、評価額が4000万円の土地が、この特例を適用すると800万円に減ります!
ただし、もちろんですが適用にはいくつかの条件があります。
「小規模宅地等の特例」の具体的な適用条件と例
- 宅地の面積
特例が適用される宅地の面積には上限があり、例えば「自宅用」の場合、上限は330㎡まで。この面積内であれば、相続税評価額が最大80%減額されます。 - 建物の種類
亡くなった方が住んでいた自宅に対して適用されるのが「特定居住用宅地」であること。
自宅用であれば特例が使いやすいですが、賃貸物件などは「貸付事業用宅地」として、減額率が50%に留まる場合があります。 - 被相続人の関係
相続人が配偶者または同居していた親族である場合、特例が適用されやすくなります。例えば、亡くなった親と同居していた子供がそのまま住み続ける場合は、80%の減額が受けられる可能性がありますが、賃貸に出していたり、子供が別の場所に住んでいると適用が難しくなります。
節税成功事例:評価額が4000万円→800万円に!
ケース紹介:東京都内の自宅を相続したAさんの例
東京都内に住むAさんは、亡くなった父親から相続で一緒に住んでいた自宅と土地を受け継ぎました。この自宅は、築40年以上の古い家でしたが、東京都内の閑静な住宅街にあり、再開発なども進んでいるため、実は土地の評価が非常に高かったのです。Aさんは、高い相続税を払う余裕はなく、他に相続人もいなかったため、相続税の負担をどうにか減らしたいと考えていました。
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- 自宅の土地:300㎡
- 自宅の建物:築40年
- 固定資産税評価額:4000万円
Aさんが驚いたのは、この古い自宅でも固定資産税評価額が4000万円にもなったことです。「こんな古い家で、なぜこんなに高いの?」と不安に思ったAさんは、相続に詳しい税理士に相談しました。
結論高く評価されたわけは、路線価が高かったのと再開発で土地の価格が上昇しているためでした。
小規模宅地等の特例が適用される条件
税理士のアドバイスで、Aさんは小規模宅地等の特例を利用できることを知ったわけですが、
はたして適用範囲内なのでしょうか?
一緒に見てみましょう。
Aさんの場合、自宅の土地は300㎡なので条件を満たしていました。
Aさんが父親と同居していました。同居していた相続人の場合、特例が認められやすくなります。
また、相続後もAさんがその自宅に住み続けることが決まっているため、特例に反していませんでした。
同居していた親族に該当するため、問題ありませんでした。
これらの条件を全て満たしていたため、Aさんは特例の適用されました。
結果:評価額4000万円→800万円になった!
小規模宅地等の特例を適用すると、土地の評価額が80%減額されます。
例えばAさんのケースでは、評価額が4000万円から800万円に減額されました。
- 特例適用前の相続税評価額:4000万円
- 特例適用後の相続税評価額:800万円
この評価額の大幅減額により、Aさんが支払うべき相続税は、本来の予定額の5分の1程度に抑えることができました。
成功のポイント
この事例での成功のポイントは、以下の通りです。
どうやって評価額を調べる?固定資産税評価証明書の入手方法
「うちの建物や土地の評価額って、いくらなんだろう?」と気になる方も多いと思います。その場合は、まず固定資産税評価証明書を取得しましょう。この書類を手に入れれば、自分の土地や建物がどのくらいの評価額なのかがわかります。
築年数が古い建物を賃貸している場合、評価額はどう変わる?
ここからは、建物の部分の評価額の話になります。
相続した建物が賃貸物件だった場合、その評価額はどうなるのでしょうか?実は、賃貸物件は自宅として使っている建物よりも評価額が低くなるケースがほとんどです。
賃貸物件は自宅よりも評価額が下がる?その仕組みを解説
賃貸物件の場合、家賃収入があっても自宅ほど高く評価されない場合が多いです。
これは、賃貸物件は土地の利用用途が限られてしまうからです。特に古い賃貸物件の場合、固定資産税評価額が低く抑えられることも少なくありません。
このことが、良いと捉えるのか悪いと捉えるのかは、所有者の考え方によって変わります。
少なからず、相続する方にとっては評価額が低い方が相続税を抑えられるので良いと捉えることができます。
賃貸物件の評価が低くなるケース
築年数が50年以上経過した賃貸アパート
築50年以上のアパートは、建物の価値がかなり下がるため、家賃収入があっても評価額が低く抑えられる傾向があります。例えば、築50年で東京都郊外にある賃貸アパートの評価額が2000万円だった事例がありますが、これは建物自体の価値がほとんどなく、土地の評価額に依存しているためです。
地方にある賃貸物件
地方であれば立地の影響も大きく、家賃収入が少ない場合、評価額も低めに抑えられます。例えば、地方都市の賃貸アパートでは、年間家賃収入が100万円未満である場合、評価額が建物・土地合わせて1500万円前後になるケースもあります。
家賃収入が低い物件
賃貸物件の評価額は、家賃収入が低いほど評価額が抑えられる傾向があります。例えば、築年数の古い物件で家賃収入が月5万円以下だと、この場合も評価額も低くなる可能性があります。
相続税対策に役立つ具体的な方法とは?
相続税対策は、早めの準備が重要です。しっかりとした対策を取ることで、大幅な節税効果を得ることができます。ここでは、誰でもできる節税テクニックをいくつか紹介しますね。
節税のプロに聞いた!誰でもできる「節税テクニック」
生前贈与は、早めに行うことで相続時の税額を大きく軽減できますが、贈与税が発生することもあるため、注意が必要です。例えば、1年間に110万円までの贈与であれば贈与税がかかりませんが、それ以上になる場合は、贈与税が課せられる可能性があります。したがって、計画的に行うことが重要です。
また、代償分割や分割協議も有効な節税方法です。たとえば、相続人の一人が不動産を相続し、他の相続人にその分の代償として現金を支払うことで、トラブルを避けながら相続税の負担を調整できます。ただし、これらの方法には相続人全員の合意が必要なため、事前に家族での話し合いが欠かせません。
まとめ
相続した建物が古くても、土地の価値によっては思いがけない高額評価になることがあります。
しかし、適切な節税対策を取ることで、相続税の負担を大幅に軽減することが可能なのです。特に、小規模宅地等の特例を活用した場合、最大80%の評価減が受けられる可能性があります。これは、条件によって適用できるかどうかが決まりますので、事前にしっかり確認しましょう。
専門家への相談を忘れずに!
相続税対策は、法律や税制に関する知識が深く必要となります。
そのため、早めに税理士や弁護士などの専門家に相談するのが最も確実でしょう。アドバイスを受けながら、相続税の負担をできるだけ減らして、安心して新しい生活を送れるように準備を進めましょう!
相続後は、相続登記をお忘れなく!
令和6年4月1日からの相続登記の義務化がされています。3年以内に行わないと10万円以下の過料を科されてしまう可能性もあります。
詳しい内容は、以下の記事にまとめていますので、手続きの方法や注意点を確認しておきましょう。
【重要】令和6年4月1日からの相続登記の義務化について、やり方や注意は?
こんにちは、ほたるです。
相続と聞くと難しいと感じることもあるかもしれませんが、皆さんが安心して理解できるよう、丁寧にお伝えすることを心がけています。
私の書いた記事が、皆さんの疑問や不安を少しでも解消して、次のステップに進むお手伝いができれば嬉しいです!
実は、お洒落な場所で紅茶を飲みながら記事を書くのが私の楽しみだったりします(笑)
皆さんもリラックスして記事を読んでいただけたらと思います。
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