突然の病気や事故で親が倒れてしまう…
そんな想定外の出来事は、誰にでも起こり得ます。
そんなショックや混乱の中で、今後どうすればいいのかを考えるのはとても大変なことです。だからこそ「相続」についての準備を進めるタイミングでもあります。
少し、親に遠慮してしまいなかなかこういった話は切り出しにくいものですよね。
ですが、放置していると後々のトラブルの原因にもなりますので早めの対応が必要です。
この記事では、親が急に倒れてしまった場合に考えるべき相続の基本と、生前にできる対策について分かりやすく解説します。
1. 親が倒れた時にまず確認すべきこと
親が倒れてしまった場合、何をどうすればいいのか分からず、不安になるものです。まずは冷静に、以下の点を確認してください。
(1) 財産の現状把握
親がどのような財産を持っているのかを確認することが重要です。主に以下のような財産が対象になります。
- 不動産(自宅や土地、賃貸物件など)
- 預貯金(銀行口座、定期預金)
- 株式や投資信託
- 借金やローン(負の財産も把握する必要があります)
- デジタル遺産 スマホ内の写真ファイルや個人アカウントなど
(2) 遺言書の有無
親が生前に遺言書を作成している場合、それがどこに保管されているかを確認しましょう。きちんと作成した遺言書があれば、財産分配のトラブルを防ぐことができます。
(3) 必要な手続きの洗い出し
親が意識不明や判断能力を失っている場合、財産の管理や契約の変更が必要になることがあります。この際には「成年後見制度」を利用することも検討してください。
2. 相続について考えるべき理由
突然の出来事に対応するためには、早めに相続について考えることが大切です。その理由を解説します。
(1) 財産分与のトラブルを避ける
遺産分割に関するトラブルは、家族関係を悪化させる大きな原因の一つです。親が元気なうちに、相続人全員で話し合いを進めておくことがトラブル回避のカギとなります。
(2) 相続税対策の必要性
財産が一定額を超えると、相続税が発生します。事前に相続税対策をしておくことで、税負担を軽減することができます。
(3) 親の意向を尊重するため
親が「この財産を特定の子どもに引き継いでほしい」「生前お世話になった人に遺贈したい」といった希望を持っている場合、遺言書や遺産分割協議を通じて、それを形にすることができます。
3. 生前にできる対策
親が元気なうちに、相続に向けた準備を進めておくことが大切です。以下のような対策を検討してみてください。
(1) 遺言書の作成
遺言書があれば、親の意思を正確に相続手続きに反映できます。特に、財産が多い場合や相続人が複数いる場合、公正証書遺言を作成しておくと安心です。
(2) 財産の分け方を家族で話し合う
親と子どもたちで話し合いを行い、財産分割の方針を共有しておくと、相続発生後のトラブルを防げます。
(3) 相続税対策の実施
生前贈与や生命保険の活用など、税金を減らすための具体的な対策を講じることも重要です。税理士に相談し、最適なプランを設計しましょう。
4. 親が判断能力を失った場合に備える制度
親が倒れて判断能力を失った場合、財産管理や契約手続きができなくなることがあります。そうした状況に備えるために、以下の制度を活用できます。
(1) 成年後見制度
親が認知症や意識不明になった場合、家庭裁判所に申し立てを行い、後見人を選任する制度です。後見人は親の財産を適切に管理し、必要な契約を代行できます。
(2) 任意後見制度
親が元気なうちに、あらかじめ信頼できる人を後見人として選任しておく制度です。事前に契約を交わしておけば、万が一の場合に迅速に対応できます。
まとめ:今こそ考えるべき「相続」のこと
親が急に倒れると、日常生活が一変し、さまざまな問題が一気に押し寄せてきます。そんな時だからこそ、相続について早めに向き合うことが大切です。
- 親の財産を把握する
- 遺言書の有無を確認する
- 生前に家族で話し合う
- 必要に応じて専門家に相談する
こうした行動を起こすことで、親の意向を尊重しつつ、家族の負担を減らすことができます。この記事をきっかけに、親子で相続について前向きに話し合ってみてはいかがでしょうか?
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